看護師の残業の実態とは

看護師の過酷な労働環境は、長い間問題視されています。2017年に医労連が行った「看護職員の労働実態調査結果」によると1年前に比べて仕事量が「大幅に増えた」と回答している看護職員は21.3%で、「若干増えた」と回答しているのは 36.7%でした。

年齢別にみると、経験豊富なベテランの看護職員ほど仕事量が増えたと感じていることがわかります。また、夜勤のある勤務形態では、仕事の量が増えています。

日勤の時間外労働に関しては、始業時間前の時間外労働は、30分以上から120分以上を合わると全体の53.2%で、終業時間後の時間外労働は73.9%になっています。時間外労働が60分以上は、20歳から24歳が最も高い割合になっており、若年層に負担が大きくなっていることがわかります。

深夜勤務の時間外労働は、始業時間前が30分以上から120分以上までを合わせると、54.7%、終業時間後は、63.8%になっています。「2交替夜勤」は長時間労働になりますが、日勤後に1時間 以上残業をしている人がおよそ半数います。始業時間の1時間以上前から仕事を始めている人は5人に1人です。

1ヶ月の時間外労働を見てみると、5~10時間未満が25.0%で最も多くなっています。ただ、過労死ラインと言われる60~70時間未満及び70時間以上の時間外労働をしている人は、合計で0.8%です。これは、全国の看護職員およそ142万人のうち11,360人程度の人が、過労死ラインのといわれる時間外労働をしていることになるのです。