残業時間の多さとサービス残業問題の改善策は

日本医療労働組合が2017年に看護職員を対象に調査を行ったところ、看護師の7割がサービス残業を行っていることがわかりました。つまり、本来労働時間に含まれるべき業務に対して残業代の支払いがないということです。

時間外にする労働には、看護記録を付けたり、始業時刻前の情報収集などの時間が含まれていますが、これは本来勤務時間に含まれるものです。ところが、タイムカードを打つ前に準備することになっていたり、報告書はタイムカードを打ってから書くというような指示があると、結局サービス残業をすることになります。また、勉強会や研修は労働ではないといわれることもあります。

サービス残業の問題を改善するためには、職場にお願いする必要があるでしょう。始業時刻開始後に情報収集をする時間設定してもらい、始業時間前の情報収集は禁止にしてもらうなどお願いしてみます。

残業手当が出ている職場でも、残業時間が多く負担が増しているという問題があります。これに関しては、業務の効率化を図ることで看護師自身ができることもあります。1日のスケージュールを組み、優先順位を決め、看護記録は隙間時間を使ってこまめに書くなどして対応できます。

また、自分では対応できないほどの仕事量になってきたら、早めにリーダー看護師に伝えて、他の看護師に助けてもらえるようにします。

交代勤務の場合には引継ぎに時間がかかって残業になることがあるので、引継ぎに無駄に時間がかからないように明確なルールを作ってもらうよう病院側にお願いすることができます。また、人手不足で残業時間が増えている場合も、実態を伝えて、人員を増やしてもらえないかお願いしてみましょう。